Alteryxで空間処理ができるツールは空間カテゴリ以外にも多くありますが、ツールによって縦方向に処理するツールと横方向のデータを処理するツールとが混ざっていて、何かの処理をしようとした際に、どのツールを使ったらいいかとっさにわからない、というケースも多いかと思います。今回はこのあたりを整理してみたいと思います。
空間カテゴリのツールをカテゴリ分けする
今回、空間カテゴリのツールを、データのインプットの仕方でいくつかのカテゴリに分類してみたいと思います。
- 単一のフィールドについて一つずつ処理するツール
- 単一のフィールドから複数レコードに分割するツール
- 複数フィールドのデータを処理する空間処理が可能なツール
- データを縦方向に処理する空間処理が可能なツール
- 2つのセット間の処理を行う
それでは各ツールをそれぞれのカテゴリに分類していきましょう。
単一のフィールドについて一レコードずつ処理するツール
- 一般化(空間カテゴリ)
- 空間情報(空間カテゴリ)
- スムージング(空間カテゴリ)
- バッファ(空間カテゴリ)
- ポイント作成(空間カテゴリ)
各空間オブジェクトに対して1レコードずつ処理を実施するスタンダードなツールです。
レコードが増えたり減ったりなどせず、レコード数が処理の前後で変化しないツールです(入力と出力のレコード数が1対1)。
単一のフィールドから複数レコードに分割するツール
- グリッド作成(空間カテゴリ)
- ポリゴン分割(空間カテゴリ)
単一のフィールドの空間オブジェクトから、ツールの設定に応じて複数のレコードが生成されるツールです。
複数フィールドのデータを処理する空間処理が可能なツール
- 距離(空間カテゴリ)
- 空間プロセス(空間カテゴリ)
- フォーミュラ(準備カテゴリ)
- 複数フィールドフォーミュラ(準備カテゴリ)
複数のフィールドの空間オブジェクトに対して空間オブジェクトの操作などを行うツールです。レコードなどを増やすことはありません。1レコードに対してレコード内でデータの加工を行います。
データを縦方向に処理する空間処理が可能なツール
- ポリビルド(空間カテゴリ)
- ヒートマップ(空間カテゴリ)
- 商圏分析(空間カテゴリ)
- 集計(集計カテゴリ)
- 複数行フォーミュラ(準備カテゴリ)
- レポートマップ(レポーティングカテゴリ)
複数レコード間の処理、集計を行うツールです。複数行フォーミュラではレコード数は変化せず、「行」方向の処理を行います。それ以外のツールは、指定した空間フィールドに基づき、何らかの加工処理(集計やポリゴン加工など)を行い、レコード数が変換するのが一般的です。
商圏分析の「オーバーラップを除外する」オプションは、バッファツールの特殊な処理を行っているバージョンとみなすことができるため、こちらに分類しています。こちらはレコード数自体は変化しません。
2つのセット間の処理を行う
- 空間マッチ(空間カテゴリ)
- 最寄り地点検索(空間カテゴリ)
2つのデータセットを比較して処理を行うツールです。T入力、U入力、どちらに何を入れるかを慎重に決める必要があります。
基本的には、軸になるデータセット(一通り舐めたいデータ)がT入力(ターゲット)に入るようにするのが基本です。出力は、T入力に対してU入力(ユニバース)をそれぞれ条件に当てはめます。最終的には条件にあったものがM出力(マッチ)、あわなかったものがU出力(アンマッチ)に出力されます。ですので、T入力に入力されたデータセットは、M出力、U出力あわせると完全なリストが出力され、U入力に入力されたものは何度もマッチングが行われます。
慣れるまで何をどちらに入れたらいいのか、がよく迷子になりやすいツールです。
まとめ
特に空間マッチツールについては、T入力、U入力どちらに何を入れたらいいのか迷いやすいツールです。また、距離を出すにしても、最寄り検索ツールなのか、フィールド付加したあとに距離ツールを使うのか、などデータの持ち方によって何を利用するか、というところが変わってきます。このあたりは十分に慣れが必要となります。
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